仕訳プリント④ 固定資産・債権債務 

次の取引を仕訳しなさい。

<問1~9>  問10~19

1. 倉庫建設用の土地¥6,300,000を購入し、代金は来週支払うこととした。なお、仲介手数料¥46,000と登記料¥30,000を、小切手を振り出して支払った。

借 方 科 目 金  額 貸 方 科 目 金  額
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【解答】

土 地6,376,000未払金6,300,000
当座預金76,000

【解説

土地を取得した際は、勘定科目「土地(資産)」を計上します。
固定資産や消耗品などを購入する際に代金の後払いをする場合は、勘定科目「未払金(負債)」を使います。
「買掛金」は固定資産などには使えず、仕入に対してのみ使いますので、要注意です!
また、土地などの固定資産を購入する際にかかった仲介手数料や登記料などの付随費用は、その固定資産の取得原価に含めて処理します

土地(資産)が増加したので借方(左)に土地6,376,000を、未払金(負債)が増加したので貸方(右)に未払金6,300,000、当座預金(資産)が減少したので貸方(右)に76,000を示します。

固定資産の購入で後払いをする場合は、「買掛金」ではなく「未払金」を使う
「買掛金」は仕入に対してのみに使う
固定資産を購入する際に発生した付随費用は、固定資産の取得原価に含める

※土地の取得時にかかる付随費用は、「土地を使える状態にするために掛かった費用」といえます。本問では仲介手数料や登記料がありましたが、「整地費用」なども付随費用に含まれます。

※なぜ「買掛金」勘定が固定資産の購入などに使えないのかというと、買掛金は本業に直接関わる取引での未払代金に対してのみ使用するからです。本業に関わる取引は頻繁に行われ、そこで記録される金額は会社にとって特に重要なものといえます。そのため、本業に関わる重要な未払代金と、固定資産購入などのそれ以外の未払代金を区別するために、「買掛金」と「未払金」を区別して使用しているのです。

2. 店舗用の建物を¥2,530,000で購入し、仲介手数料¥35,000を含めた代金は来月支払うこととした。

借 方 科 目 金  額 貸 方 科 目 金  額
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【解答】

建 物2,565,000未払金2,565,000

【解説

建物を取得したときには、勘定科目「建物(資産)」を計上します。
問1と同じように、固定資産である「建物」を購入する際に後払いをする場合は、「買掛金」ではなく「未払金」を使います。
また、固定資産である建物を購入する際に発生した付随費用は、建物に含めます。

建物(資産)が増加したので借方(左)に建物2,565,000、未払金(負債)が増加したので貸方(右)に未払金2,565,000を示します。

3. 事務用のパソコン(@¥110,000)を3台購入し、代金は月末に支払うことにした。

借 方 科 目 金  額 貸 方 科 目 金  額
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【解答】

備 品330,000未払金330,000

【解説

問題文に「事務用のパソコン」とあるので、購入したのは会社の内部で使用するためのパソコンであるということがわかります。したがって、このパソコンは備品と考えます。
業務で使用する備品を取得したときは、勘定科目「備品(資産)」を計上します。
問1,2と同じように、固定資産である「備品」を購入する際に後払いをする場合は、「買掛金」ではなく「未払金」を使います。
なお、問題文にある「(@¥110,000)」とは、「1台につき¥110,000」ということを意味するので、それが3台で 110,000×3=330,000円 分のパソコンを購入したということです。

備品(資産)が増加したので借方(左)に備品330,000、未払金(負債)が増加したので貸方(右)に未払金330,000を示します。

自社で使用するものは「仕入」として扱わない(備品や消耗品などにする)

4. 販売用のパソコン(@¥110,000)を3台購入し、代金は月末に支払うことにした。なお、当店は事務機器を販売する商店である。

借 方 科 目 金  額 貸 方 科 目 金  額
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【解答】

仕 入330,000買掛金330,000

【解説

問題文に「販売用のパソコン」「当店は事務機器を販売する商店である」とあるので、購入したのは外部へ販売するためのパソコン、つまり仕入商品であるということがわかります。
したがって、このパソコンは「備品」ではなく商品の「仕入」と考えます。
問3とは異なり、このパソコンは商品の「仕入」であるため、「未払金」ではなく「買掛金」を使います。

仕入(費用)が増加したので借方(左)に仕入330,000、買掛金(負債)が増加したので貸方(右)に買掛金330,000を示します。

自社で使用せず、外部へ販売するものは「仕入」として扱う

5. 運搬用のトラック¥2,400,000を買い入れ、代金のうち¥1,000,000は小切手を振り出して支払い、残額は来月支払うこととした。

借 方 科 目 金  額 貸 方 科 目 金  額
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【解答】

車両運搬具2,400,000当座預金1,000,000
未払金1,400,000

【解説

乗用車やトラックなどの車両を取得したときには、勘定科目「車両運搬具(資産)」を計上します。
その他の固定資産と同じく、固定資産である「車両運搬具」を購入する際に後払いをする場合は、「買掛金」ではなく「未払金」を使います。

車両運搬具(資産)が増加したので借方(左)に車両運搬具2,400,000を、当座預金(資産)が減少したので貸方(右)に当座預金1,000,000、未払金(負債)が増加したの貸方(右)に未払金1,400,000を示します。

※問題によっては勘定科目の「車両運搬具」を「車両」と表す場合がありますが、表記が異なるだけで内容は同じです。問題で指定されている表記をそのまま使用してください。

6. 岐阜商店から¥350,000が当座預金に振り込まれた。現在のところ、その内容が不明である。

借 方 科 目 金  額 貸 方 科 目 金  額
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【解答】

当座預金350,000仮受金350,000

【解説

まず、実際に当座預金口座に入金されているので、当座預金を増加させます。
しかし、その内容が不明であり、相手勘定を確定できないときは、勘定科目「仮受金(負債)」を使います。
「仮」と付いていることからもわかる通り、「仮受金」勘定を使うのはあくまで暫定的な処置です。あとでその内容が判明すれば、仮受金をなくし、実際の内容に即した勘定科目に振り替えることになります。
なお、「前受金」と言葉が似ているため、混同しないように注意してください。

当座預金(資産)が増加したので借方(左)に当座預金350,000、仮受金(負債)が増加したので貸方(右)に仮受金350,000を示します。

7. 上記の岐阜商店からの振込の内容が判明した。¥200,000は売掛金の回収であり、¥150,000は注文を受けた商品代金の手付金であった。

借 方 科 目 金  額 貸 方 科 目 金  額
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【解答】

仮受金350,000売掛金200,000
前受金150,000

【解説

問6の続きです。内容不明のため一時的な措置として仮受金で計上していた金額について、内訳が判明したときの仕訳です。
内容が判明したため、その分の仮受金はなくし(減少させ)、内容に即した勘定科目に振り分けます。
なお、「売掛金の回収」ということは、実際に代金を現金や預金として受け取って、売掛金(資産)という「あとで代金を受け取る権利」が減少したということです。
また、手付金は前受金(負債)として計上するため、売掛金・前受金どちらも貸方に計上されることになります。

仮受金(負債)が減少したので借方(左)に仮受金350,000を、売掛金(資産)が減少したので貸方(右)に売掛金200,000、前受金(負債)が増加したので貸方(右)に前受金150,000を示します。

8. 出張する従業員へ旅費の概算払いとして現金¥40,000を渡した。

借 方 科 目 金  額 貸 方 科 目 金  額
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【解答】

仮払金40,000現 金40,000

【解説

まだその具体的な内容や金額が確定していませんが、一時的な金額として相手に支払ったときに、勘定科目「仮払金(資産)」を計上します。
本問においては、この時点では旅費の全額が確定していないため、一時的な概算払いを行ったことの仕訳をします。
なお、まだ旅費として実際に現金を使用しておらず、その金額が確定していないため、「旅費交通費」勘定は使えないことに注意してください。あくまで、あとで旅費交通費として使うであろう金額を仮の形で渡しただけです。

仮払金(資産)が増加したので借方(左)に仮払金40,000、現金(資産)が減少したので貸方(右)に現金20,000を示します。

旅費などの仮払いだとしても、実際に旅費としてはまだ使われていないため、仮払いの段階での仕訳では「旅費交通費」などは使えない

9. 上記8の従業員が出張から戻り、旅費¥45,000の精算をした。差額は現金で支給した。

借 方 科 目 金  額 貸 方 科 目 金  額
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【解答】

旅費交通費45,000仮払金40,000
現 金5,000

【解説

問8で仮払いしていた旅費について、実際に精算するときの仕訳をします。
すでに旅費の金額は確定していますので、概算払いであった仮払金から勘定科目「旅費交通費(費用)」に振り替えます。その際、一時的な措置であった仮払金の残高はなくなります(減少させます)。
また、先に仮払いしていた40,000円だけでは不足していたために、5,000円を現金で新たに支給しています。

旅費交通費(費用)が増加したので借方(左)に旅費交通費45,000を、仮払金(資産)が減少したので貸方(右)に仮払金40,000、現金(資産)が減少したので貸方(右)に現金5,000を示します。

仮払いしていたものが実際に精算された段階での仕訳で、「旅費交通費」などを計上する

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