求められるパソコンスキル


 ――操作技能だけでなく、実務で活かせるスキルを

 昨今の企業実務においては、パソコンを用いた業務スキルが強く求められています。文書の作成やデータの分析・活用といった業務は、オフィスソフトを用いることが前提となっています。その中でも特に、WordやExcel®️、PowerPoint®️といったMicrosoft®️のオフィスソフトなどの活用は必要不可欠と言えるでしょう。

 また、それら実践的な業務技能だけではありません。高度に情報通信化したネット社会において、それに応じた知識や問題意識が求められています。情報セキュリティや企業コンプライアンスへの適切な対応ができなければ、企業を十全に経営・運営していくことができません。

パソコンスキルの資格検定


 ――より実務的な資格検定試験を

 パソコンを扱う技能や知識をはかる資格は数多くありますが、事務業務において必要とされるスキルをはかる検定の一つとして「日商PC検定」があります。日本商工会議所が主催しており、単純なオフィスソフトの取り扱いだけでなく、企業実務と結びついた技能・知識が求められます。

 文書作成・データ活用・プレゼン資料作成の3種類の検定が行われています。実技だけでなく、ビジネスシーンで必要となる情報通信技術(ICT)の知識やその利活用方法も求められます。受験者が最も多い3級では、3種類合計で年間のべ約2万人が受験しています。

日商PC検定の内容


 ――ビジネスの実務に直結した内容です

 文書作成・データ活用の3級では、企業実務に必要とされる基本的なIT・ネットワークの知識の問題と、指示に従って雛形からのビジネス文書作成やデータベース作成を行う実技の問題が出題されます。知識問題、実技問題ともに70点以上で合格となります。全国平均の合格率は約82%です。

 2級では、企業実務に必要とされる実践的なIT・ネットワークの知識の問題と、与えられた状況から情報を取捨選択しての適切なビジネス文書や資料の作成、データーベース作成・分析やレポート作成などが試験対象となります。知識・実技問題ともに70点以上で合格です。全国の平均合格率は約69%です。

パソコン技能資格の意味


 日商PC検定は、簿記ほどは取得を目指す人は多くありません。しかし、パソコンスキルだけでなくビジネススキルも内容に含んだ検定ですので、ビジネスの現場で活かせる一定の力量を証明することができます。実務に直結するスキルですので、事務職へ応募するならば取っておいて損はない資格です。

 パソコンによる事務技能をはかる資格はその他にも様々なものがあります。例えば、実務にも役立てるサーティファイの認定試験や、Microsoftオフィスソフトの技能をはかるマイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS検定)などがあります。それぞれに特長がありますが、パソコンスキルを磨くためにこういった検定試験に挑戦してみるのもいいでしょう。

IT化からDXへ


 ――変革が求められる今だからこそ

 昨今では、企業経営においてDX(デジタルトランスフォーメーション)――業務プロセスだけでなく、企業組織やビジネスモデルそのものをデジタル技術によって変革していくことがさけばれています。実際に、e-文書法の制定や電子帳簿保存法の改正、インボイス制度の開始など、企業経営の形を変える潮流が現在あるといえるでしょう。

 変革が推し進められているこのような状況においては、事務職として求められる人材の質も変わってくるでしょう。その際、簿記やパソコンスキルの資格を持ち、DXに対応できる素地を保有していることを示せることは、就職やキャリアアップにおいて大きな武器となるはずです。

☆関連リンク

日本商工会議所 日商PC検定

ビジネス能力認定 サーティファイ-ソフトウェア活用能力認定委員会

MOS公式サイト-マイクロソフト オフィス スペシャリスト

※Microsoft、Excel、PowerPointは、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標です。

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