長野商店では、解答欄の表に記載した補助簿を用いている。次の各取引が記帳される補助簿の欄に、チェックマークを付しなさい。なお、該当しない補助簿の欄には何も記入しないこと。

1. 得意先松本商店に商品¥1,000を売り上げ、代金は掛けとした。

2. 仕入先千曲商店に対する買掛金¥2,500を小切手を振り出して支払った。

3. 上田商店より商品¥14,000を仕入れ、その代金のうち半額は小切手を振り出して支払い、残額は掛けとした。

4. 仕入先篠ノ井商店の買掛金¥8,000を、同社宛の約束手形を振り出して支払った。

5. 得意先飯山商店に商品を売り上げた際に受け取っていた、飯山商店振出、当社宛の約束手形¥37,000の決済日になり、代金が当座預金に入金された。

6. 得意先須坂商店に掛けで販売していた商品について、一部品違いのため¥800が返品された。

補助簿の解説ここをクリック

取引を記録する帳簿には、主要簿と補助簿があります。
主要簿は必ず作成しなければいけない帳簿であり、仕訳帳総勘定元帳がこれにあたります。基本的に主要簿さえ記帳していれば、決算で財務諸表を作成することが可能です。
しかし、主要簿だけでは取引の内容を詳しく記録しておくことができません。たとえば、売掛金の取引金額を知ることはできますが、その売掛金の内訳としてどの取引先とのものなのかは総勘定元帳を眺めても即座にわかりません。こういったことをすぐに知りたいのならば、取引相手なども含め売掛金の詳しい情報をまとめて、事前に記録しておく必要があります。
このように取引のより詳しい内容を記録しておくために、補助簿を作成することがあります。特定の取引について記録する補助記入帳、特定の勘定について記録する補助元帳があります。
補助簿は各々の会社が必要に応じて自主的に作成するものなので、必ずしも作成しなければいけないわけではありません。売掛金について記録するための補助簿である売掛金元帳についていえば、掛けでの取引を多用する会社では必須といえますし、逆に掛けでの取引をめったにしないような会社には不要です。

日商簿記3級検定では補助簿に関する問題として、第2問で固定資産台帳を使った勘定記入問題商品有高帳の記入問題などが出題されますが、その他に補助簿の選択問題が出題されることがあります。特定の取引が示され、その取引をした際にどの補助簿に記入するべきなのかが問われます。
こういった問題では、まず各取引の仕訳を作成します。そして、その仕訳に出てくる勘定科目に着目して、どの補助簿で記録しているのかを判断します。
勘定科目名と補助簿の名称は大体関連しているので基本的には判断がつきやすいですが、以下のように注意しなければいけないものもあります。

得意先元帳(売掛金元帳):売掛金の金額が動いた際に記帳します。売掛金元帳という名称で示されていればわかりやすいですが、得意先元帳ともいいますので、こちらの名称で出題された際には注意してください。

仕入先元帳(買掛金元帳):買掛金の金額が動いた際に記帳します。買掛金元帳という名称で示されていればわかりやすいですが、仕入先元帳ともいいますので、こちらの名称で出題された際には注意してください。また、「仕入」勘定に対応する仕入帳と名称が似ているので、混同しないように注意してください。

商品有高帳:自社保有の商品に動きがあったときに記帳します。つまり、商品を仕入れたとき、売り上げたとき、商品を返品した/されたときに記入します。補助簿は基本的に勘定科目と1対1の対応関係になっていますが、商品有高帳は「仕入」勘定もしくは「売上」勘定が出てきたときに記入しなければいけません。したがって、「仕入」勘定について記録する補助簿は仕入帳商品有高帳2つ、「売上」勘定について記録する補助簿は売上帳商品有高帳2つになることに注意してください。返品の際も同様に2つです。

固定資産台帳:所有する固定資産を管理するための補助簿です。建物・備品・車両運搬具といった固定資産は毎期減価償却を行います。そのために、耐用年数や償却方法、減価償却費の金額やある時点での帳簿価額(取得原価から減価償却累計額を差し引いた金額)などを記録します。固定資産を取得・売却した際に記録するのはもちろん、減価償却をした際にも記録します。なお、土地は減価償却しませんが、取得・売却の際に記録します。

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上述したように、補助簿選択問題では取引の仕訳を行い、そこに出てくる勘定科目から補助簿を選択します。
以下の1~6の取引の文章(▶マークの行)をクリックし、それぞれの取引における仕訳作成と補助簿選択をしてみましょう。

1. 得意先松本商店に商品¥1,000を売り上げ、代金は掛けとした。
仕訳で出てきた勘定科目がどの補助簿に対応しているのか判断しましょう。
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2. 仕入先千曲商店に対する買掛金¥2,500を小切手を振り出して支払った。
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3. 上田商店より商品¥14,000を仕入れ、その代金のうち半額は小切手を振り出して支払い、残額は掛けとした。
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4. 仕入先篠ノ井商店の買掛金¥8,000を、同社宛の約束手形を振り出して支払った。
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5. 得意先飯山商店に商品を売り上げた際に受け取っていた、飯山商店振出、当社宛の約束手形¥37,000の決済日になり、代金が当座預金に入金された。
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6. 得意先須坂商店に掛けで販売していた商品について、一部品違いのため¥800が返品された。
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あとは、解答欄で該当する補助簿にチェックすれば完了です。

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